2026年提出(令和7年分)確定申告の基礎知識
こんにちは!税理士の井上です。
確定申告、不安ですよね。
特に初めての方やフリーランスの方には難しく感じるかもしれません。
でも、ご安心ください。
今回は、2026年(令和7年分)の確定申告について、基本から具体的なやり方を7つのステップ、節税テクニックまで分かりやすく解説します。
この記事を読んでいただくことで、確定申告の全体像をしっかり理解できることを願っています。
そもそも確定申告とは?1年間の所得と税金を確定させる手続き
確定申告とは、前年1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得を計算し、それに対する所得税額を算出して国に報告・納税するための一連の手続きです。
会社員の場合、多くは勤務先が年末調整という形で所得税の精算を行ってくれるため、個人で確定申告を行う必要はありません 。しかし、個人事業主やフリーランス、特定の条件に当てはまる会社員などは、自分で所得と税額を計算し、税務署に申告する義務があります。
この手続きを通じて、納めすぎた税金が還付されたり、不足分を追加で納付したりすることで、1年間の税金の精算が完了します。法律で定められた国民の義務であり、対象者は必ず行わなければなりません 。
2026年の確定申告期間はいつからいつまで?
確定申告の期間は、基本的に2月16日から3月15日までです。
2026年に提出する令和7年(2025年)分の確定申告もこの期間内に行いますが、税金の種類によっては期間が異なるので下記の表で具体的な日程をご確認ください。
令和7年分 確定申告の主要スケジュール
| 税金の種類 | 申告・受付期間 | 納税期限 |
| 所得税及び復興特別所得税 | 2026年2月16日(月)~3月16日(月) | 2026年3月16日(月) |
| 贈与税 | 2026年2月2日(月)~3月16日(月) | 2026年3月16日(月) |
| 消費税及び地方消費税(個人事業者) | 2026年3月31日(火)まで | 2026年3月31日(火) |
| 還付申告 | 申告対象年の翌年1月1日から5年間 | – |
引用元:国税庁「申告書と納税」
所得税の申告期間は、2026年2月16日(月)から3月16日(月)までです 。
この期間内に申告書の提出と納税の両方を忘れず行いましょう。
【ちょっと豆知識】還付申告は1月から提出できる!
医療費控除の適用などで払い過ぎた税金を取り戻す「還付申告」は、実は確定申告期間(2月16日〜)を待たずに、1月1日から提出できます 。年末調整で忘れていた控除がある方などは、早めに準備を済ませておけば、その分早く還付金を受け取れます!
また、この還付申告は過去5年分まで遡って申告することが可能ですので、申告し忘れていた控除がないか確認してみるのもよいでしょう 。
確定申告のやり方を7つのステップで解説
ここからは、確定申告の準備から納税完了までの一連の流れを7つのステップで解説します。この順番通りに進めれば、初めての方でも迷うことなく手続きを終えられます。
【STEP1】確定申告が必要かセルフチェック
確定申告は、すべての人に必要なわけではありません。
自分が申告義務のある「義務がある人」なのか、申告は任意で「申告する必要がある人」なのか「申告すると得する人」なのかを正しく判断することが大切です。
◆確定申告の必要がある人(個人事業主・会社員・年金受給者など)
以下のいずれかの条件に当てはまる方は、確定申告を行う必要があります。
個人事業主・フリーランスの方
- 事業での収入から必要経費を差し引いた「所得」が、基礎控除額を超える場合 。
会社員(給与所得)の方
- 年間の給与収入が2,000万円を超える場合 。
- 給与を1か所から受けていて、副業の所得(給与所得、退職所得を除く)が年間20万円を超える場合 。
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整されなかった給与収入と各種所得の合計が20万円を超える場合 。
- 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合 。
年金受給者の方
- 公的年金等の収入金額が400万円を超え、且つそれ以外の所得が20万円を超える場合 。
- 公的年金等の収入が400万円以下でも、それ以外の所得が20万円を超える場合 。
これらの条件は代表的なものです。
詳細は国税庁のウェブサイトで確認するか、税理士にご相談ください。

◆確定申告をすると得する人(還付を受けられるケース)
確定申告の義務がない方でも、申告をすることで納めすぎた税金が戻ってくる「還付」を受けられる場合があります 。これを「還付申告」と呼びます。
以下のようなケースに当てはまる方は、還付申告をすることで払い過ぎた税金が戻ってくる可能性があります。
- 多額の医療費を支払った(医療費控除)1年間の医療費の合計が10万円(または総所得金額等の5%)を超えた場合、医療費控除を適用できます 。
- ふるさと納税をした(寄附金控除)ワンストップ特例制度を利用していない場合や、6自治体以上に寄附した場合などは確定申告が必要です 。
- 住宅ローンを組んで家を購入した(住宅ローン控除)住宅ローン控除を受ける初年度は、会社員であっても必ず確定申告が必要です 。
2年目以降は年末調整で手続きできます。 - 災害や盗難の被害にあった(雑損控除)自然災害や盗難などで資産に損害を受けた場合に適用できる可能性があります 。
- 年の途中で退職し、再就職していない年末調整が行われていないため、源泉徴収で天引きされた税金が還付される可能性が高いです 。
ご自身に適用できる控除がないか、この機会に一度確認してみてはいかがでしょうか。
【STEP2】申告方法を決める|青色申告と白色申告
個人事業主やフリーランス、不動産所得がある方が確定申告を行う際には、まず「青色申告」と「白色申告」のどちらで申告するかを選択する必要があります。この選択は、その後の帳簿の作成や最終的な納税額に大きく影響する重要な選択です。
青色申告と白色申告のメリット・デメリット比較
白色申告は、事前の届出が不要な基本的な申告方法です。
帳簿の作成は比較的簡単ですが、税制上の特典がほとんどありません 。
一方、青色申告は、事前に税務署の承認を受ける必要がありますが、節税効果の高い様々なメリットがあります。事業を始めたばかりの方こそ、青色申告のメリットを最大限に活用することをおすすめします。
青色申告と白色申告 比較
| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 赤字の繰越(純損失の繰越控除) | 3年間可能 | 不可(一部例外あり) |
| 家族への給与(専従者給与) | 全額経費にできる | 控除額に上限あり |
| 記帳方式 | 原則、複式簿記 | 単式簿記(簡易な方法)で可 |
| 事前届出 | 必要 | 不要 |
| 対象所得 | 事業所得、不動産所得、山林所得 | すべての所得 |
「手続きが簡単な白色申告でいいかな」と考える方もいるかもしれませんが、どちらを選ぶかは、節税メリットの大きさと経理の手間を天秤にかけて判断しましょう。
事業を長く続けていくのであれば、税理士としては節税効果が大きい青色申告をおすすめします。
【青色申告の豆知識】30万円未満の資産は一括で経費に!
青色申告をしている個人事業主の方は、「少額減価償却資産の特例」という制度を使えます。これにより、取得価額が30万円未満の資産であれば、年間合計300万円までを一括でその年の経費に計上できるんです。パソコンなどを買った年に、大きな節税効果が期待できます。(※この特例を利用するには、青色申告決算書に必要事項を記載するなどの要件があります。)
赤字でも申告すべき!青色申告の大きなメリット
青色申告をしている方で、年間の事業収支が赤字(純損失)になった場合、「所得がないのだから申告は不要」と考えるのは大きな間違いです。赤字であっても確定申告(損失申告)をすることで、その赤字を税負担の軽減に繋げることができます。選択肢は2つあります。
- 純損失の繰越控除
その年の赤字を、翌年以降最大3年間にわたって繰り越し、将来発生した黒字と相殺できます。例えば、今年100万円の赤字を出し、翌年150万円の黒字が出た場合、繰越控除を適用すれば翌年の所得は50万円(150万円 – 100万円)として計算され、税負担を大幅に軽減できます。
最大65万円控除も!青色申告特別控除の3段階と適用要件
青色申告の最大のメリットは、なんといっても最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられる点です。「青色申告特別控除」とは所得金額から一定額を控除することができる制度です。この控除額には、65万円、55万円、10万円の3つの段階があります 。
◆65万円控除の要件:複式簿記+e-Tax申告 or 優良な電子帳簿保存
最高額である65万円の控除を受けるためには、以下の要件をすべて満たす必要があります。
- 事業所得、または事業的規模の不動産所得があること 。
- 正規の簿記の原則(複式簿記)で記帳していること 。
- 記帳に基づき作成した貸借対照表と損益計算書を申告書に添付すること 。
- 定められた申告期限内に確定申告書を提出すること 。
- e-Tax(電子申告)で申告、または優良な電子帳簿保存を行っていること 。
ここで重要なのが5つ目の要件です。
「優良な電子帳簿保存」というのは、データの訂正や削除の履歴が残せたり、高度な検索ができたりと、かなり厳しいシステム条件をクリアしないといけません 。
正直なところ、個人の方がこの条件を満たすのはかなりハードルが高いです。
したがって、「e-Taxによる電子申告」を行うことをおすすめします。
◆55万円控除の要件:複式簿記+期限内申告
上記の1から4までの要件をすべて満たしていても、申告を郵送や税務署窓口への持参といった紙ベースで行った場合、控除額は55万円に下がります 。e-tax(電子申告)で申告すれば、郵送や持参での提出に比べて控除額が10万円も多くなるため、その分支払う税金が安くなるというメリットがあるのです。
国がe-Taxの利用を強く後押ししていることの表れで、この10万円の差は、いわばe-Tax利用者へのボーナスのようなものです。
税理士の立場から見ても、この特典を使わない手はありません。せっかく複式簿記でしっかり帳簿を作るのですから、ぜひe-Taxを利用して65万円の控除を目指したいですね。
◆10万円控除の要件
複式簿記ではなく簡易な帳簿付け(単式簿記)で申告する場合や、事業的規模ではない不動産所得・山林所得のみの場合は、控除額が10万円となります 。
【 提出忘れに注意!】青色申告の始め方:「青色申告承認申請書」の提出
青色申告は自動的に適用されるわけではなく、事前に「所得税の青色申告承認申請書」を納税地の所轄税務署長に提出し、承認を受ける必要があります 。
提出期限は以下の通りです 。
- すでに事業を行っている方: 青色申告を適用したい年の3月15日まで。
- 新規開業した方:1月15日までに開業した場合:その年の3月15日まで。 1月16日以降に開業した場合:事業を開始した日から2か月以内。
これから事業を始める方は、事業開始を届け出る「開業届」と一緒に青色申告承認申請書を提出するのが最もスムーズでおすすめです 。
【STEP3】確定申告に必要な書類を準備する
申告方法を決めたら、次は必要書類を漏れなく集めましょう。
面倒な書類集めも、節税につながる「宝探し」だと思えば、少し楽しくなりませんか?
申告する内容によって必要な書類は変わりますが、主に次の3つのグループに分けられます。
全員に共通で必要な書類
まず、申告方法や所得の種類にかかわらず、すべての方が準備すべき基本的な書類です。
- 確定申告書国税庁のウェブサイトからダウンロードするか、税務署で入手できます。
ただし、「確定申告書等作成コーナー」や会計ソフトを利用する場合は、自動で作成されるため別途用意する必要はありません 。 - 本人確認書類マイナンバーカードをお持ちの方は、それだけで本人確認が完了します。お持ちでない方は、「マイナンバーが確認できる書類(通知カードや住民票の写しなど)」と「身元確認書類(運転免許証やパスポートなど)」の両方が必要です 。
- 還付金の振込先口座情報税金の還付がある場合に備え、申告者本人名義の金融機関の口座番号がわかるもの(通帳やキャッシュカードなど)を手元に用意しておきましょう 。
【所得別】追加で必要な書類(事業所得・給与所得・年金所得など)
ご自身の所得の種類に応じて、以下の書類が必要になります。
- 事業所得・不動産所得がある方青色申告決算書(青色申告の場合)または 収支内訳書(白色申告の場合)
これらは日々の結果をまとめたものです。売上や経費の根拠となる請求書、領収書、レシートなどの証憑書類
関連記事:「なんでも経費」は危険な誤解!個人事業主の経費の基本原則 |ほまれ税理士法人
- 給与所得がある方勤務先から発行される「給与所得の源泉徴収票」
関連記事:【税理士が解説】業務委託の源泉徴収とは?「もらう側」も「払う側」も知っておきたいポイント |ほまれ税理士法人
- 公的年金等による所得がある方日本年金機構などから送付される「公的年金等の源泉徴収票」
【控除別】追加で必要な書類(医療費・保険・寄附金など)
所得控除や税額控除を適用して節税するためには、その支払いを証明する書類が必要です。
- 医療費控除「医療費控除の明細書」医療機関からの領収書をもとに自身で作成します。
領収書自体の提出は不要ですが、5年間は自宅で保管する義務があります 。 - 社会保険料控除国民年金や国民年金基金の保険料を支払った場合、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」
- 生命保険料控除・地震保険料控除加入している保険会社から送付される「生命保険料控除証明書」「地震保険料控除証明書」
- 寄附金控除(ふるさと納税など)寄附先の自治体や団体から発行される「寄附金の受領証」または「寄附金控除に関する証明書」
- 小規模企業共済等掛金控除iDeCo(個人型確定拠出年金)や小規模企業共済の掛金を支払った場合、その支払いを証明する書類
- 住宅ローン控除(初年度)「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」「家屋の登記事項証明書」「売買契約書または工事請負契約書の写し」など多くの書類が必要となります。
これらの証明書は、秋から年末にかけて郵送で届くことが多いです。
確定申告の時期まで大切に保管しておきましょう。
【STEP4】確定申告書を作成する
必要な書類が揃ったら、いよいよ帳簿を整理し、確定申告書を作成します。近年は便利なツールが普及しており、初心者でもスムーズに作業を進めることが可能です。
申告書作成の4つの方法|おすすめは会計ソフトか作成コーナー
確定申告書の作成には、主に4つの方法があります。
それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った方法を選びましょう 。
確定申告書 作成方法の比較
| 方法 | こんな人におすすめ | メリット | デメリット | 費用目安 |
| ① 確定申告ソフト | 簿記知識に自信がない初心者、効率化したい方 | ・日々の記帳から申告書作成まで一貫して可能 ・計算ミスが起こりにくい ・e-Tax連携がスムーズ | ・利用料がかかる | 年間1万円~3万円程度 |
| ② 国税庁「確定申告書等作成コーナー」 | 費用をかけたくない、収支がシンプルな方 | ・無料で利用できる ・Web上で完結 | ・帳簿作成機能はないため別途必要 ・入力項目が多く、慣れが必要 | 無料 |
| ③ 手書き | PC操作が苦手、ネット環境がない方 | ・特別な機材が不要 | ・計算や転記ミスが非常に多い ・作成に時間がかかる ・e-Tax申告ができない | 用紙代・郵送費のみ |
| ④ 税理士に依頼 | 忙しい方、申告内容が複雑な方、節税相談もしたい方 | ・正確で安心 ・節税のアドバイスが受けられる ・時間を大幅に節約できる | ・依頼費用がかかる | 5万円~(事業規模による) |
【STEP5】確定申告書を税務署に提出する
完成した確定申告書は、期限内に税務署へ提出します。主な提出方法には、「e-Tax(電子申告)」「郵送」「税務署窓口への持参」の3つがあります 。
「e-Tax(電子申告)」
e-Taxとは、国税に関する申告や納税、申請・届出などの手続きをインターネット経由で行えるシステムです 。e-Taxを利用するメリットは多岐にわたります。
- 最大65万円の青色申告特別控除が適用可能(最大のメリット)
- 24時間いつでも自宅から提出できる(メンテナンス時間を除く)
- 医療費の領収書など、一部の添付書類の提出を省略できる
- 還付金の受け取りが紙での提出に比べて早い(約2~3週間)
「郵送」
e-Taxを利用しない場合は、郵送での提出も可能です。
- 送付先: 納税地を管轄する税務署または業務センター宛に送付します 。
- 提出日: 郵便物の通信日付印(消印)の日付が提出日とみなされます 。期限最終日の消印が押されていれば、期限内提出として扱われます。
※令和7年1月から、申告書等への控えに受付印はもらえないので提出用のみ郵送するようにしましょう。
「税務署の窓口に持参」
納税地を管轄する税務署の窓口に直接持参して提出することもできます。
- 混雑: 申告期間中、特に期限間近は窓口が大変混雑します。時間に余裕を持って行くようにしましょう 。
- 時間外収受箱: 税務署の閉庁時間でも、設置されている「時間外収受箱」に投函すれば提出が可能です 。
【STEP6】所得税の納税または還付金の受け取り
確定申告書の提出後、計算結果に応じて納税または還付金を受け取る手続きを行います。これが確定申告の締めくくりとなる重要なステップです。
納税が必要な場合の納付方法と期限
所得税の納税期限は、申告期限と同じく2026年3月16日(月)です 。
期限内に納付を済ませましょう。納付方法は多様化しており、ご自身の都合に合わせて選ぶことができます。
主な納税方法の種類と特徴
| 納税方法 | 納付期限 | 特徴・注意点 |
| 振替納税 | 2026年4月下旬頃(予定) | ・事前に届出が必要 ・指定口座から自動で引き落とし ・手数料無料、最も確実でおすすめ |
| e-Tax(ダイレクト納付) | 2026年3月16日(月) | ・e-Taxの利用開始届出が必要 |
| クレジットカード納付 | 2026年3月16日(月) | ・専用サイトから手続き ・決済手数料がかかる |
| スマホアプリ納付 | 2026年3月16日(月) | ・PayPayなどのスマホ決済アプリを利用 ・納付額に上限がある場合も |
| コンビニ納付 | 2026年3月16日(月) | ・事前にQRコードまたはバーコードの作成が必要 ・30万円以下の納付に限る |
| 現金納付 | 2026年3月16日(月) | ・納付書を持参し金融機関・税務署窓口で納付 ・従来からの基本的な方法 |
引用元:国税庁ウェブサイト等
また、期限までに納付するのが難しい場合は、納める税額の半分以上を期限内に納めれば、残りの納付を令和8年6月1日(月)まで延長できる「延納」という制度も利用できます(延納する期間中は利子税がかかります) 。
【税理士の豆知識】振替納税を活用した資金繰り戦略
納税には現金やクレジットカードなど色々な方法がありますが、税理士として特におすすめしたいのが「振替納税」です。事前に手続きをしておけば、指定した銀行口座から税金が自動で引き落とされます。
この制度の一番のメリットは、実際の引き落とし日が法律で定められた納付期限よりも約1ヶ月後になることです。
- 所得税および復興特別所得税の振替日:令和8年4月下旬(予定)
- 消費税および地方消費税の振替日:令和8年4月下旬(予定)
これは単に便利というだけではありません。納税資金の準備に1ヶ月以上の余裕が生まれます。国がこの制度を用意しているのは、納税者の負担を軽くして、期限内にきちんと納税してもらうためです。
還付金はいつ、どうやって受け取る?
申告の結果、税金が還付される場合は、確定申告書に記載した本人名義の金融機関口座に振り込まれます 。
還付金が振り込まれるまでの期間は、提出方法によって異なります。
- e-Taxで提出した場合: 申告から約2~3週間程度
- 郵送・窓口で提出した場合: 申告から約1か月から1か月半程度
前述の通り、e-Taxで申告した方が早く還付を受けられます。入金されると、税務署から「国税還付金振込通知書」というハガキが届きます。また、e-Taxで申告した場合は、処理状況をオンラインで確認することも可能です 。
【STEP7】申告後の書類の保存義務
確定申告書を提出し、納税や還付が完了しても、手続きはまだ終わりではありません。確定申告に使用した帳簿や書類は、法律で一定期間保存することが義務付けられています。
青色申告と白色申告の保存期間と対象書類
保存すべき書類と期間は、青色申告か白色申告かによって異なります 。
- 青色申告の場合保存期間:原則7年間対象書類: 仕訳帳、総勘定元帳などの帳簿、貸借対照表、損益計算書などの決算関係書類、請求書、領収書、預金通帳など。
- 白色申告の場合保存期間:7年間
法定帳簿(収入金額や必要経費を記載したもの)保存期間:5年間
上記以外の任意で作成した帳簿、請求書、領収書など。
これらの書類は、税務調査の際に提示を求められることがあります。
確定申告が終わったからといって安易に処分せず、いつでも確認できるよう年度ごとに整理し、定められた期間は大切に保管しておきましょう。また、近年は電子データで受け取った請求書等をデータのまま保存することが義務化されるなど、電子帳簿保存法への対応も重要になっています 。

確定申告の節税&お役立ち知識
基本的な流れはつかめましたか?ここからは、もう一歩踏み込んで知っているだけで得をする節税のポイントや賢く申告を乗り切るための知識をご紹介します。
節税チャンスを逃さない!見落としがちな所得控除
確定申告で節税効果を最大限に得るためには、使える控除をすべて利用することが大切です。特に、年末調整では対応できない控除や見落としがちなものをしっかり確認しておきましょう
- 社会保険料控除
納税者本人の社会保険料だけでなく、生計を一にする配偶者やその他の親族の国民健康保険料や国民年金保険料などを支払った場合も控除対象になります 。
たとえば、20歳になった子どもの国民年金保険料を親が代わりに支払うと、親自身の税負担を軽減できるメリットがあります。 - 生命保険料控除
生命保険料控除には、2012年以降に契約した「新制度」とそれ以前の「旧制度」があり、それぞれ控除額の計算方法や上限が異なります。新制度では、「一般生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3つの種類ごとに控除枠(各4万円)が設けられており、合計で最大12万円の控除が可能です 。 - 医療費控除
1年間に支払った医療費の合計が、原則として10万円(総所得金額が200万円未満の場合は、その5%)を超える場合に適用できます 。通院のための交通費や、医師の指示によるマッサージ代なども対象になる場合があります。 - 扶養控除
納税者と生計を一にする16歳以上の親族で、年間の合計所得が一定の金額以下に場合に適用できます 。この「生計を一にする」という要件は、必ずしも同居している必要はありません。実家を離れて暮らす子どもに生活費や学費を援助している場合も控除の対象となります。 - 住宅ローン控除
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合、一定の要件を満たせば、年末のローン残高に応じた金額が所得税から直接差し引かれます。控除を受ける最初の年は、会社員の方でも確定申告が必要です。
所得計算の基本と初心者が迷いやすいポイント
1年間の取引を記録した帳簿を基に(所得=総収入金額ー必要経費)を計算します。
ここでは、特に初心者が迷いやすい「開業費」と「家事按分」について詳しく解説します。
開業費の計上方法
開業費とは、事業を始めるまでの間に、開業の準備のために特別にかかった費用のことです。開業費は1年目にすべて経費にする必要はなく、任意の年に任意の金額を必要経費として計上できます。この仕組みをうまく使えば、所得が多い年にたくさんの開業費を経費にして税金の負担を軽くし、所得が少ない年(または赤字の年)は経費計上をゼロにするといったことができます。
家事按分の考え方と計算例
自宅を事務所としても使っている場合、家賃や水道光熱費、通信費など、プライベートと事業の両方で使う支出があります。これらの費用について、事業で使った割合を合理的に計算し、その分だけを経費として計上することを「家事按分」と呼びます。
按分する割合の計算に明確なルールはありませんが、税務調査などで質問されたときに、誰が見ても納得できるような、しっかりとした根拠を示すことが大切です。
- 家賃の計算例
根拠: 事業用として使っている床面積の割合。
計算式: 月々の家賃 × (事業用スペースの面積 ÷ 自宅全体の面積)
例: 家賃15万円、全体面積60㎡、事業用スペース15㎡の場合
150,000円×(15㎡÷60㎡)=37,500円(月々の経費額)
- 電気代の計算例
根拠: 仕事で使っている時間やコンセントの数。
計算式: 月々の電気代 × (事業で使った時間 ÷ 1日の総時間)
例: 電気代1万円、1日8時間・週5日仕事をする場合
10,000円×(8時間×5日÷24時間×7日)=2 ,380円(月々の経費額)
家事按分をするときは、計算の根拠にした面積や時間の記録を必ず残しておきましょう。
経費計上ミスで損をしないための注意点
- 「事業に必要か?」で判断する
経費として認められるのは、事業に直接関連し、必要と認められる支出のみです。家族との食事代など、私的な支出を経費にすることはできません。前述の家事按分も、根拠を明確に記録しておきましょう。 - 経費の計上漏れも大きな損失
本来経費にできる支出を計上し忘れると、その分所得が過大に計算され、余分な税金を多く支払うことになります。領収書やレシートは日頃から整理して保管しましょう。 - 10万円以上の資産は「減価償却」
パソコンや設備など、取得価額が10万円以上で1年以上使う資産は「減価償却資産」となり、購入した年に全額を経費にするのではなく、法律で定められた年数にわたって少しずつ経費計上していく必要があります。
確定申告の「困った」を解決するQ&A
最後に、確定申告でよくある疑問やトラブルについてお答えします。
「うっかり」が招くペナルティの種類と税率
確定申告は、意図的でなくても、申告内容や納税に不備があると重いペナルティが課されることがあります。どのようなケースで、どのくらいのペナルティが発生するのか見ていきましょう。
確定申告のペナルティの種類と税率一覧
| ペナルティの種類 | 要件 | 税率 |
| 無申告加算税 | 期限内に申告しなかった | 原則15〜30%(自主申告で5%) |
| 過少申告加算税 | 申告額が本来より少なかった | 原則10〜15%(自主修正で免除) |
| 重加算税 | 隠蔽・仮装など悪質な場合 | 過少申告35%、無申告40% |
| 延滞税 | 納付が遅れた | 遅延日数に応じた年率(最大14.6%) |
青色申告の承認取消し
2年連続で期限内に申告しなかった場合などには、大きな節税メリットがある「青色申告」の承認が取り消される可能性があります。これにより、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越といった特典が利用できなくなり、税負担が大幅に増えるリスクがあります。ペナルティを避けるためにも、申告期限は必ず守りましょう。
申告内容を間違えた場合は?
提出した申告書の内容に誤りを見つけた場合、時期に応じて手続きが異なります 。
- 申告期限内に気づいた場合
正しい内容で再度申告書を作成し、提出し直します。これを「訂正申告」といい、最後に提出されたものが正式な申告として扱われます。 - 申告期限後に気づいた場合
<税額を少なく申告していた場合>
「修正申告」という手続きが必要です。間違いに気づいたら、自主的に「修正申告書」を提出し、不足分の税額を追加で納付します。税務署から指摘される前に自主的に申告すれば、過少申告加算税がかからないなど、ペナルティが軽くなる場合があります 。
<税額を多く申告していた場合>
「更正の請求」という手続きを行い、納めすぎた税金の還付を求めます。この手続きは、法定申告期限から5年以内に行うことができます。
関連記事:確定申告の間違い、税務署から連絡はくる? ケース別対処法とペナルティを税理士が完全解説 |ほまれ税理士法人
確定申告で困ったらどこに相談すればいい?
確定申告で分からないことや不安な点がある場合は、一人で悩まず専門家に相談しましょう。
- 税務署
確定申告の一般的な手続きに関する質問に答えてくれます。申告期間中は電話相談窓口や確定申告会場での相談も可能です 。 - 税理士
個別の状況に応じた具体的な節税対策や、複雑な申告書の作成代行など、専門的なサポートが受けられます。 - 青色申告会
個人事業主を対象とした納税協力団体で、記帳指導や相談会などを実施しています 。
「確定申告の不安や疑問をほまれ税理士法人にLINEで無料相談する」
まとめ:確定申告を乗り切るための3つの心得
ここまで、確定申告の基本から具体的なステップまで解説してきましたが、いかがでしたか?最後に、大変な確定申告を乗り切るためにこれだけは押さえておきたい3つのポイントをまとめます。
- とにかく早めの準備を!
一番の敵は「後回し」です。
ペナルティを避けるためにもスケジュールをしっかり確認して、早め早めに書類集めや帳簿付けを始めましょう。 - 青色申告とe-Taxは最強の味方!
節税効果を最大限にしたいなら、「青色申告」と「e-Tax」の組み合わせが断然おトクです。少し手間はかかりますがその価値は十分にあります。 - 申告することは「権利」を行使することでもある!
税金を納めるのは義務ですが、払い過ぎた税金の還付を受けるのはあなたの「権利」です。使える控除はしっかり使って、損をしないようにしましょう。
確定申告は、1年間の頑張りを数字で振り返る良い機会です。
正しく準備すれば、決して難しいものではありません。
この記事があなたの不安を「これならできる!」という自信に変えるお手伝いができれば嬉しいです。
確定申告に不安のある方は、お気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせ 0120-025-404 (受付時間:平日9:00~17:30)
お問い合わせフォーム:https://homare.tax/contact

