会社設立代行は本当に「得」なのか?費用とメリット・デメリットを徹底解説

こんにちは!税理士の井上です。

これからビジネスを始めるあなたにとって、会社設立は夢への第一歩ですよね。

しかし、「一体どこから手をつければいいのか」「手続きが複雑すぎて、本業の準備がおろそかになりそう…」と、不安を感じていませんか?
本業に集中したい、手続きでミスしたくないという思いから、代行サービスを検討されるのは、当然のことです。

一方で、「代行を頼む費用を考えると、自分で頑張って手続きする方が良いのでは?」とお考えの方もいらっしゃると思います。

この記事では、会社設立の代行サービスについて詳しく解説します。代行を頼める専門家の違いから費用の具体的な比較、「手数料が0円」のサービスの裏側まで、あなたが自信を持ってスタートを切るために役立つ情報をご紹介します。

目次

会社設立代行サービスの窓口は4種類!専門家ごとの役割と料金の目安

一般的に「代行」と言われますが、会社設立の一番最後の法的な手続きである「登記(法務局への登録申請)」を、あなたの代わりに正式にできるのは「司法書士」だけです。

ですから、税理士や行政書士が「全部まとめてやります(ワンストップサービス)」と言っている場合でも、必ず提携している司法書士がこの登記の手続きを行っています

この仕組みを理解しておくことは、とても大切です。なぜなら、あなたが依頼した窓口が税理士だったとしても、実際の手続きの一部は別の専門家が担当することになるからです。「誰がどの作業に責任を持ってくれるのか」「連絡は誰と取ればいいのか」を、事前にしっかり確認しておくと、安心して手続きを進められますよね。

それでは、専門家ごとの違いを具体的に見ていきましょう。

司法書士|登記申請まで一貫して依頼できる唯一の専門家

会社設立で必要な、定款の作成から、法務局への登記の申請まで、一連の法的な手続きをすべて、あなたの代わりに直接行うことが法律で認められています。

担当できること

  • 定款の作成・公証役場での認証(証明)、登記の申請に必要な書類の作成、法務局への登録手続きの代行、会社のルールを決める上でのアドバイスなど。

依頼するメリット

  • 確実で安心: 会社設立において大切で難しい法的な登録を直接担当するため、手続きの確実性と安心感が高いと言えます。

知っておくべきこと

  • 法律手続き専門: 得意な分野は法的手続きに限られます。そのため、資本金の額が税金にどう影響するか、銀行からの融資をどう進めるかといった経営や税金に関するアドバイスは、業務範囲外となります。

税理士|節税・資金調達まで見据えた設立が可能

税理士は、会社設立を単なる手続きとして終わらせず、あなたのビジネスが成功するための最初のステップだと考えています。そのため、会社を作る段階から、税金で損をしないための最適な方法を提案し、サポートします。

担当できること

  • 節税を考えた資本金の額や決算月の決め方、社長の給料(役員報酬)のシミュレーション、銀行からの融資を受けるための事業計画書作りのお手伝いなど。※ただし、法的な登記の申請は、提携する司法書士が行います。

依頼するメリット

  • 設立の時から、お金の戦略や税金対策について一貫して相談できます。特に、創業融資(起業時のお金の借り入れ)や助成金を考えているなら、頼りになるパートナーになってくれます。

知っておくべきこと

  • 法的な登記申請は、提携する別の専門家(司法書士)に改めて頼む形になるため、間接的な依頼という形になります。

行政書士|「許可」や「認可」が必要な事業の設立に強い専門家

行政書士は、「役所に提出する書類作り」のプロフェッショナルです。

特に、事業を始めるために国や役所からの「許可」や「認可」が必要な業種(例えば、建設業、飲食店、古物商など)で、その力を発揮します。

担当できること

  • 会社の定款(会社のルールブック)の作成・公証役場での認証(証明)、そして事業に必要な許可や認可の申請代行。
    ※税理士と同じく、法的な登記の申請は代行できません。提携する司法書士に頼むか、ご自身で行う必要があります。

依頼するメリット

  • 会社設立と役所からの許可や認可の取得を、同時に、そしてスムーズに進めたい場合に必要なパートナーです。

知っておくべきこと

  • 法的な登記の申請は、別途司法書士に頼む必要があります。そのため、設立手続きが二段階になり、窓口が増える可能性があります。

オンライン完結型サービス|費用を抑えたい方向けのツール

最近は、インターネットで会社設立の手続きを手伝ってくれる便利なサービスが増えています。これらは、専門家に頼むというよりは、自分で手続きを進めるための「道具(ツール)」だと考えると分かりやすいです。

担当できること

  • 画面の案内に従って情報を入力すれば、定款(会社のルールブック)や登記の申請書など、必要な書類が自動で作成されます。
    ※お金を払ってオプションを追加すれば、行政書士による電子定款の作成代行や、司法書士による登記申請の代行を依頼できるサービスもあります。

依頼するメリット

  • 専門家への手数料を最小限に抑えられるため、最も安く会社を設立できる可能性があります。

知っておくべきこと

  • 入力する情報はすべて自己責任で進めることになります。資本金をいくらにするか、事業の目的をどう書くかといった、会社の戦略に関わる専門的なアドバイスは基本的に受けられません。
依頼先主な業務範囲登記申請代理メリットデメリットこんな人におすすめ
司法書士定款作成~登記申請○(独占業務)法的手続きの安心感が最も高い税務・経営相談は範囲外設立手続きの法的な正確性を最優先したい人
税理士税務・財務戦略の助言、資金調達支援×(提携司法書士が実施)設立時から節税や融資の相談が可能登記申請は間接依頼。顧問契約が前提になることも創業融資や設立後の税務も見据えて専門家を探している人
行政書士定款作成、許認可申請×(提携司法書士が実施)許認可が必要な事業の設立がスムーズ登記申請は別途手配が必要建設業、飲食業など許認可の取得が必須な事業を始める人
オンライン書類作成支援ツール△(有料オプション)費用を最小限に抑えられる自己責任の部分が多く、専門的助言は限定的とにかく費用を抑え、自分で調べて進める意欲がある人

【費用比較】自分で会社を作る?それとも専門家に頼む?

「誰かに手続きを代わりにお願いするなら、自分でやるより費用がかかるだろう」と考えるのは、当然のことです。

しかし、会社を作る手続きについては、必ずしもそうとは限りません。それどころか、専門家の代行サービスを使った方が、全体での費用が安くなるケースがあるのです。

この不思議な現象のカギを握るのが、「電子定款」です。

なぜ専門家に頼む方が安くなるの?「電子定款」の仕組みを解説

株式会社を作るには、専門家に払う手数料とは別に、法律で必ず払うと決まっている費用(法定費用)があります。

紙の定款を作る場合には、4万円の収入印紙を貼らなければいけませんが、「電子定款」を使うことで、4万円の収入印紙代がかからなくなります。

法律では、収入印紙が必要なのは「紙の書類」だけだと決まっています。専門家が作る電子定款は、PDFのような電子データです。そのため、「紙の書類」には当たらず、4万円の税金(印紙税)がかからないのです。

個人で電子定款を作ろうとすると、専用の機械(ICカードリーダーなど)やソフトなどに、10万円近くの初期費用がかかる場合もあり、現実的ではありません。

そのため、専門家が提供する電子定款サービスを使うことが、この4万円を節約するための、現実的な方法となります。

結果として、専門家に払う手数料が4万円より安ければ、自分で紙の定款を使って作るよりも、全体で払うお金を安く抑えることができる、というわけです。

費用項目自分で行う場合(紙定款)代行サービス利用(電子定款)差額
定款印紙代40,000円0円-40,000円
定款認証手数料15,000~50,000円15,000~50,000円0円
登録免許税150,000円~150,000円~0円
専門家手数料0円5,000円~+5,000円~
合計約240,000円~約205,000円~-35,000円~

※手数料を5,000円とした場合

「手数料0円」のウラ側は? 代行サービスを選ぶときの注意点と見極め方

「自分で手続きするより安くなるのは分かったけど、『手数料がタダ』というのは本当なの?」という疑問が、次に頭に浮かぶことでしょう。

この「手数料0円」という魅力的な言葉のウラには、しっかりとしたビジネスのしくみがあります。

そのしくみをきちんと理解して、目先の安さだけでなく、本当に役立つ価値があるサービスを選ぶことが大切です。

一般的な「手数料0円」の条件は「顧問契約」を結ぶこと

結論からお話しすると、法律で決まっている費用まで含めて、完全にタダで会社を作ることはできません。 広告で見かける「0円」というのは、あくまで専門家に払う代行の手数料が無料になる、という意味です。

では、なぜ多くの事務所は手数料をタダにできるのでしょうか? その理由は、代行をきっかけにして、その後、税金の相談をお願いする契約(税務顧問契約)という、長いお付き合いを始めることを目的にしているからです。多くの税理士事務所は、会社を作る時の手数料を受け取らない代わりに、毎月入ってくる顧問料を前提として採算を合わせています。

これは、新しく事業を始める人にとっても悪い話ではありません。会社を作った後には税理士が必要になるのですから、会社を作る段階からずっとサポートしてもらえるのは合理的です。 ただし、「会社設立を0円にするためには、最低1年間の顧問契約が必須」といった「縛り」が設けられているケースが一般的であることには注意が必要です。

【業界の常識を覆す】ほまれ税理士法人は「顧問契約の縛りなし」でも手数料0円!

ここで、私たちほまれ税理士法人の大きな特徴をお伝えさせてください。 先ほど「0円には顧問契約という条件(縛り)があるのが一般的」とお話ししましたが、私たちほまれ税理士法人は、その業界の常識とは違います。

私たちは、他社に見られるような「顧問契約の期間縛り(違約金等のペナルティ)」を設けることなく、会社設立の手数料を実質0円でサポートしています。 創業時のキャッシュアウトを抑え、スムーズなスタートアップをご支援します。

失敗しない! 代行サービスを選ぶときのチェックポイント5つ

ポイント1: どこまで手伝ってくれるか(代行の範囲)がハッキリしているか

「全部お任せできる」と思っていても、実際には書類を作るだけで、役所(公証役場や法務局)への手続きは自分で動かなければならないケースもあります。

どこからどこまでを代わりに行ってくれるのか、そしてあなたが何をすべきなのかを、書面でハッキリと示してくれる業者を選ぶようにしましょう。

ポイント2: 料金のしくみは分かりやすいか

基本的な料金が安く見えても、会社を作る人が複数いる場合や、お金ではなくモノ(現物出資)を資本金にする場合などに、後から追加の料金が発生することがあります。

見積もりの段階で、全部でいくらになるのか、そして追加料金が発生する可能性があるのはどんな時かを、具体的に確認することが大切です。

ポイント3: 専門家の業務範囲がハッキリしているか

先述した通り、会社の登記の手続きは、司法書士だけが行うことができる仕事です。

税理士事務所に依頼する場合、協力してくれる司法書士は誰なのか、そして何かあったときに誰が責任を取るのかが、ハッキリと分かるようになっているかを確認しましょう。

誰が担当してくれるのかが分かっていると安心でき、それが信頼関係の基本になります。

ポイント4: 会社設立の実績はたくさんあるか

会社を作った実績の数は、その業者がどれだけ経験とノウハウを持っているかを知るための目安の一つになります。

特に、あなたと同じ種類の事業の設立を多く手伝った経験があれば、事業の目的に関するアドバイスや、必要な許認可についても、適切なサポートが期待できます。

ポイント5:設立後のサポートはしっかりしているか

会社設立は、ゴールではなくスタートです。「手数料がタダ」で税理士さんと顧問契約を結ぶ場合は特に、会社を作った後のサポート内容がとても重要になります。

税金の申告だけでなく、経営の相談、資金調達支援など、どこまで手伝ってくれるのかを具体的に確認しましょう。

税理士に依頼したときの会社設立の流れ【8つのステップ】

税理士法人に会社設立を依頼した場合、一般的に次の流れで手続きが進みます。それぞれのステップで専門家がどのように手伝ってくれるのかを具体的に見ていきましょう。


①無料相談・ヒアリング

あなたの事業の内容や将来の目標、お金の計画などを詳しく聞いてもらいます。この段階  で、あなたに一番合う会社の形(株式会社か合同会社か)や、税金で気をつけるべきことに ついてアドバイスをもらえます。

②会社概要の決定

会社名、本社の場所、事業の目的、資本金の額、役員(社長など)の構成、決算の時期など を決めます。特に資本金の額や決算期は、後から払う税金に大きく影響するため、税理士の 専門的なアドバイスがとても重要になります。

③法人印鑑の作成 

会社の実印、銀行で使う印鑑、角印の3点セットを作ります。どんな印鑑が必要か、どんな材 質が良いかといったアドバイスも受けられます。

④定款の作成・認証 

決めた会社の内容をもとに、税理士が定款のもとになる案を作ります。その後、協力する司 法書士が法律的に内容をチェックし、電子定款として完成させ、公証人役場での証明手続き まで代行してもらいます。

⑤資本金の払込み

会社にお金を出す人(発起人)の個人の銀行口座に、決めた資本金を振り込みます。この時 点では、まだ会社の口座はありません。振り込みが終わった通帳のコピーを取り、お金を確かに払ったという証明書を作ります。

⑥登記申請 

必要な書類がすべて揃ったら、協力する司法書士が、管轄の法務局へ登記の申請を行いま  す。この申請した日が、設立日になります。

⑦登記完了・各種証明書の取得 

申請から1週間〜10日くらいで登記が完了します。完了後、代行業者が会社の登記簿(履歴 事項全部証明書)や印鑑証明書を取得してくれます。これらは、会社の銀行口座を開設した り、各種契約を結んだりするのに必ずいる書類です。

⑧設立後の税務署等への届出

登記が終わったら、税務署や都道府県の税事務所、市町村役場など、様々な行政機関へ届出 を出さなければなりません。特に、税金面で有利になる「青色申告」の承認申請など、期限 が厳しく決まっているものも多く、これらを漏れなく代行してもらえます。自分でやろうと すると見落としがちな、重要なステップです。

【税理士の視点】会社を作る時に知っておくべき税金と節約の知識

会社設立の時に決めることの中には、後からの変更が難しかったり、変更にお金がかかったりするものがたくさんあります。
これらは単なる手続きではなく、将来あなたが払う税金の額にかかわるとても大事な判断です。

ここでは、会社を作る時に知っておくべき3つの大切な知識をご紹介します。

1. 会社を作るときの費用は好きなタイミングで経費にできる

会社を作るために払ったお金(登録免許税や専門家への手数料など)は、会社を作った最初の事業年度にすべて経費として扱う必要はありません。

これらの費用は、税金のルール上、「創立費」と「開業費」という「繰延資産」として扱われます。
会社を始めたばかりの頃は赤字になることが多いため、急いで経費にする必要はなく、将来利益がたくさん出た年にこれらの費用を経費にして、その年の法人税を減らすことができるのです。

これは、会社設立の時から領収書をきちんと保管し、正しく会計の処理をすることで使えるようになる、大切な節約のテクニックです。

2. 資本金は1,000万円より少なく! 消費税が最大2年間免税になる

会社を作る時の資本金の額は、会社の信頼度を表すだけでなく、消費税を納める必要があるかどうかにも関わってきます。

原則として資本金が1,000万円より少ない会社は、最初の1年目と2年目消費税を納めることが免除されます。これは、作ったばかりの会社には2年前の売上(基準期間)がないためです。

ただし、これにはいくつか例外があります。

例えば、1年目の最初の6ヶ月間で、消費税がかかる売上や給料の支払い額が1,000万円を超えると、2年目から消費税を納める会社になってしまう場合があります。また、大きな会社の子会社として作られる場合など、条件によっては最初の年から消費税を納める対象になるケースもあります。

こうしたルールを理解し、消費税を免税にするメリットを受けるためには、会社を作る前に専門家に判断してもらうことをおすすめします。

3. 会社を作った後に提出する届出リストと期限

会社の登記が終わっても、手続きはこれで終わりではありません。それどころか、ここからが税金に関する手続きのスタートです。

期限内に必要な書類を出さなければ、受けられるはずの税金の優遇を逃してしまう可能性があります。

届出書類提出先提出期限概要・注意点
法人設立届出書税務署、都道府県税事務所、市町村役場設立後2ヶ月以内(税務署)※地方は異なる会社が設立されたことを知らせる基本的な届出。
青色申告の承認申請書税務署設立後3ヶ月以内 or 第1期事業年度終了日の早い方欠損金の繰越控除など、節税メリットの大きい青色申告の承認を受けるために必須。期限を過ぎると初年度は適用不可
給与支払事務所等の開設届出書税務署事務所開設後1ヶ月以内役員報酬や従業員給与を支払うために必要。これを提出しないと源泉所得税の納付書が届かない。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書税務署随時従業員が10人未満の場合、源泉所得税の納付を毎月から年2回にできる。事務負担を大幅に軽減。
健康保険・厚生年金保険新規適用届年金事務所事実発生から5日以内社会保険の加入手続き。役員1名の会社でも加入義務がある。期限が非常に短いため注意が必要。

これらの手続きを忘れずに実行することが、事業をスムーズに進め、将来の税金対策をしっかり行うための土台となります。

お金、時間、リスク、そして将来の税金戦略。これらの要素をまとめて判断し、あなたにとって一番良い選択をすることが成功への第一歩となります。

もし、あなたが会社設立の手続きやその後の経営について少しでも不安や疑問をお持ちであれば、ぜひ一度、私たちほまれ税理士法人にご相談ください。

あなたの事業が最高のスタートを切れるよう、専門家として全力でサポートいたします。

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この記事を書いた人

税理士/近畿税理士会所属/税理士登録年2005年/登録番号102807/会計システムの開発エンジニアとしてキャリアをスタート。その後、大阪市内の税理士法人での勤務を経て2005年に税理士として登録し、個人事務所を開業。法人化などを経て、現在はほまれ税理士法人の代表を務める。 「後世に誇れる仕事をする」を理念に、これまで2,000社以上の顧問先を支援。企業のライフステージに合わせた総合的なコンサルティングを提供している。

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