税務調査の時間は平均2日間? 【全貌】期間・1日の流れ・早く終わらせる5つの方法 

こんにちは!税理士の井上です。

突然ですが、ドラマ『税務調査官・窓際太郎の事件簿』をご存知でしょうか。 表向きはうだつの上がらない「窓際くん」、しかし裏では巨悪を暴く凄腕調査官…。 もちろん実際の税務調査はドラマとは違いますが、「調査」と聞くと、どんな経営者の方でも不安になるのは当然のことです。

不安が頭をよぎると、こんな疑問が次々と浮かんでくるのではないでしょうか。

「税務調査って、一体何日かかるんだ…?」 

「当日は朝から晩まで、事業が完全にストップしてしまうのだろうか…?」

忙しい事業に専念できず、影響が出るのではないかと不安になる経営者の方も少なくありません。 だからこそ、普通どれくらい時間がかかるのかを事前に把握し、万全の準備をしたいですよね。

ご安心ください。この記事で、その不安を解消するお手伝いをします。

国税庁の資料や法律といった信頼できる情報に基づき、税務調査の「時間」をテーマに、税理士としての専門的な視点から徹底解説します。 この記事を読み終える頃には、あなたは以下の点をはっきりと理解できるようになるでしょう。

  • 税務調査の基本的な日数と、当日のスケジュール
  • 通知から結果報告までの全体の流れ
  • 調査が長引く原因と、早く終わらせるための方法
  • 無予告調査や反面調査といった特別なケースの所要時間

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関連記事:税務調査とは?【完全ガイド】いつ来るか・流れ・対策を税理士が解説  |ほまれ税理士法人

目次

税務調査の標準的な所要時間と1日の流れ

税務調査と聞いて多くの方がイメージするのは、調査官が会社や事務所に来る「実地調査」の期間ではないでしょうか。しかし、それは税務調査という大きな流れのほんの一部に過ぎません。まずは、この実地調査の平均的な日数と、当日のスケジュールについて解説します。

実地調査は法人は2日、個人事業主は1日が基本

税務調査の実地調査にかかる日数に法的な決まりはありませんが、事業の規模に応じた一般的な目安があります。

  • 会社の場合: 2日間
  • 個人事業主の場合: 1日間

会社の場合は、帳簿や取引が複雑なため2日間が標準とされています。一方、個人事業主や小規模な事業者の場合は、調査対象となる資料が比較的少ないため、1日で終わることがほとんどです。

ただし、これはあくまで目安です。規模の大きな会社や、取引が複雑な業種(例えば、金融業や海外との取引が多い会社など)では、3日から5日以上かかるケースも珍しくありません。

調査当日のタイムスケジュール(10時〜16時)

実地調査が行われる当日の1日は、だいたい決まった流れで進みます。調査官は通常、平日の午前10時頃に会社や事務所に到着し、夕方の16時〜17時頃にその日の調査を終えます。土日祝日に調査が行われることは、原則としてありません。

法人の場合:1日目の典型的なスケジュール

時間帯主な内容専門家視点のポイント
10:00 – 12:00概況聴取(世間話)
・事業内容、会社の歴史、役員の構成
・主な取引先や支払い方法
・社長のこれまでの経歴など
この時間は和やかな雰囲気で進みますが、調査官は事業の内容と帳簿の数字に矛盾がないかを探るための重要な情報を集めています。一貫性のある説明が不可欠です。
12:00 – 13:00昼休憩調査官は外で昼食をとります。この時間を利用して、税務署の上司に午前中の進み具合を報告し、午後の調査方針を決めることが多いため、単なる休憩時間ではないと認識しておきましょう。
13:00 – 16:00帳簿書類の調査
・総勘定元帳、請求書、領収書、契約書等の確認
・帳簿と証拠書類が合っているかのチェック
・経理担当者への質問
具体的な調査が本格的に始まります。調査官から求められた資料をすぐに提示できるよう、事前にしっかり準備しておくことが非常に重要です。
16:00以降質疑応答・1日のまとめ
・その日の調査で分からなかった点の確認
・追加で必要になった資料の依頼
・翌日の調査予定の簡単な説明
1日の終わりに調査官からの質問にまとめて答える時間です。曖昧な回答は調査を長引かせる原因となるため、税理士と連携して的確に答える必要があります。

2日目も同じようなスケジュールで、初日に確認しきれなかった帳簿の調査や、より深い論点の確認が行われます。

結果通知までは1週間〜3ヶ月が目安

実地調査が終わっても、税務調査がすべて完了したわけではありません。調査官は集めた資料を税務署に持ち帰り、詳しく調べます。その後、顧問税理士へ、調査の結果が伝えられます。

この実地調査終了から結果が通知されるまでの期間は、通常1週間から長くても3ヶ月以内が一般的です。税務署の内部的な手続きで、3ヶ月を超える場合は上司の承認が必要になるため、ほとんどの調査はこの期間内に結論が出されます。

もし3ヶ月を過ぎても連絡がない場合は、何か重大な不正が疑われ、より慎重な調査や、裏付けのための反面調査が行われている可能性があります。この期間は、皆さんにとって精神的に最も負担が大きい時期と言えるでしょう。

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【全体像】税務調査の全プロセスと期間の目安

税務調査にかかる時間は、実際に調査官が来る1〜2日間だけではありません。税務署からの事前連絡から始まり、最終的な結果を受け取るまでの一連の流れ全体を把握することが、冷静に対応するための第一歩です。ここでは、そのすべてのプロセスを時系列で解説します。

フェーズ1:調査対象の選定

国税庁や税務署は、過去の申告データやさまざまな情報、外部からの情報提供などをもとに、申告内容に間違いが疑われる調査対象者をリストアップします。この選定作業は、皆さんには知られないまま、水面下で進められます。

フェーズ2:事前通知(実地調査の1〜2週間前)

税務調査の大部分を占める「任意調査」では、原則として実際に調査が始まる前に、税務署から電話で連絡が入ります。これは法律で決められた手続きです。連絡は通常、調査希望日の1〜2週間前に行われます。

顧問税理士がいる場合は、まず税理士に連絡が入ります。

【事前通知で伝えられる主な内容】 

  • 調査を開始する日時
  • 調査を行う場所
  • 調査の目的
  • 調査対象となる税金の種類(法人税、消費税など)
  • 調査対象となる期間(通常は直近3期分)
  • 調査対象となる帳簿書類

フェーズ3:日程調整

事前通知で伝えられた調査の日程は、あくまで税務署の希望です。会社の忙しい時期や顧問税理士の都合が合わない場合は、日程の変更を交渉できます。慌てて受け入れる必要はありません。準備する時間を確保するためにも、税理士と相談して、一番良い日程を決め直しましょう。

フェーズ4:実地調査(1〜2日間)

調整した日時に調査官が会社や事務所に来て、これまでに説明したスケジュールに沿って実地調査が行われます。この調査には、社長や経理担当者も立ち会うことになります。

フェーズ5:税務署内での検討・反面調査

調査官は、実地調査で集めた資料をもとに、税務署内で詳しく調べます。この段階で帳簿に怪しい部分が見つかったり、取引の裏付けが取れなかったりすると、取引先や銀行に直接問い合わせる「反面調査」が実施されることがあります。

フェーズ6:結果の通知と終結

最終的な調査結果は、以下の3つのいずれかの形で伝えられ、税務調査は終わります。

  • 申告是認(しんこくぜにん) 

申告内容に問題がなかったと認められるケースです。「是認通知書」が送られてきて、追加で税金を納める必要はありません。

  • 修正申告(しゅうせいしんこく)

申告内容に間違いがあり、税務署からの指摘を受けて、皆さんが自ら申告を修正するケースです。

  • 更正(こうせい)

税務署の指摘に皆さんが納得せず、修正申告に応じない場合に、税務署が職権で税金の金額を訂正する処分です。この処分には、不服申し立てをすることができます。

法人 と 個人事業主 税務調査タイムライン比較表


フェーズ

期間の目安

(法人)

期間の目安

(個人事業主)

 専門家視点のポイント
  日程は交渉可能です。準備する時間を確保するため、税理士と相談し、一番良い日程に設定することが重要です。

 2日間

 1日間
調査官の質問には、税理士を介して的確かつ簡潔に答えることが、時間を短くする鍵となります。

結果通知

 1週間〜3ヶ月
  調査内容が複雑でなければ、個人事業主の方が早く通知される傾向にあります。3ヶ月以上かかる場合は、何か問題が疑われている可能性があります。

総期間
 
 約3週間〜1.5ヶ月
顧問税理士がいるか、また事前の準備状況によって、調査にかかる期間は大きく変わります。

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税務調査の法的根拠と「任意調査」の本当の意味

税務調査の進め方や時間を正しく理解するには、その法的な根拠を知ることが不可欠です。これを知ることで、調査官の権限の範囲と、皆さんが持つ権利を把握できます。

根拠は国税通則法の「質問検査権」

税務調査は、国税庁や税務署の職員に法律で認められた「質問検査権」という権限に基づいて行われます。これは、税務職員が申告内容が正しいか確認するために、皆さんに質問したり、帳簿書類を調べたりする権限です。

「任意調査」は断れない【受忍義務】

一般的に行われる税務調査のほとんどは「任意調査」と呼ばれます。しかし、この「任意」という言葉を「受けても受けなくてもよい」と解釈するのは大きな間違いです。

ここでの「任意」とは、裁判所の令状(許可証)を必要としない調査という意味であり、皆さんの協力のもとに行う、という前提に過ぎません。皆さんは、この任意調査を受け入れる義務、つまり「受忍義務」があるとされています。

正当な理由なく調査を断ったり、質問に答えなかったり、嘘の帳簿を見せたりした場合には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科される可能性があるため、事実上、任意調査を拒否することはできません。

一方で、法律は皆さんの権利も守っています。2011年の国税通則法改正により、事前に連絡することや、調査が終わった後の手続きがはっきりと決められ、調査が不当に行われないようにルールが整備されました。調査官もこの法律の範囲内で権限を行使していることを理解しておきましょう。

税務調査が長引く7つの重大な要因

当初は2日間で終わるはずだった調査が、3日、4日と長引くことがあります。調査が長引けば、それだけ会社の負担も増えてしまいます。ここでは、税務調査を長くさせてしまう代表的な7つの原因を解説します。

1. 帳簿や資料の準備・整理が不十分

調査官に求められた資料がすぐに出てこない、整理されておらず確認に時間がかかるといった状況は、調査が遅れる一番の原因です。資料を探す時間が長くなれば、それだけ調査官の滞在時間も延びてしまいます。

2. 質問に対する回答が曖昧・不正確

調査官は、事業の状況に関する話と、帳簿の内容に矛盾がないかを鋭く見ています。質問に対してはっきりと答えられなかったり、説明が二転三転したりすると、「何か隠しているのではないか」という疑念を抱かせてしまいます。

3. 非協力的な態度

調査官も人間です。偉そうな態度や失礼な言動、あからさまに協力しない姿勢は、調査官の心証を悪くします。その結果、本来なら見過ごされたかもしれないような些細なことまで、徹底的に調べられる可能性があります。逆に協力的な姿勢は、スムーズな調査の進行を促します。

4. 取引内容が複雑・特殊である

海外との取引や、関連会社との取引など、専門的で複雑な取引が多い場合、その内容を調査官が理解し、妥当だと判断するのに時間がかかるのは避けられません。

5. 重大な誤りや問題点が発覚する

調査の途中で、単純な計算ミスや解釈の違いではなく、明らかに経費として認められないもの(例:プライベートな出費)などが見つかった場合、調査官は「他の年度でも同じようにしているのではないか」と考えます。

6. 調査対象期間が3年から5年、7年へ拡大する

税務調査は通常、過去3年分が対象ですが、重大な間違いが見つかると5年分に拡大されることがあります。さらに、売上を隠したり、架空の経費を計上したりといった意図的な不正(仮装・隠蔽)が疑われる場合には、時効が7年に延長され、調査期間も大幅に長引きます。

関連記事:税務調査は過去何年分?原則「3年」、最大「7年」の法則を解説します |ほまれ税理士法人

7. 反面調査が必要になる

帳簿が本当に正しいかどうか疑わしい場合や、会社の資料だけでは事実の確認ができない場合、調査官は取引先へ直接行く「反面調査」を行います。反面調査の手続きや結果を調べるには、追加で時間が必要になります。

【税務調査が長引く7つの要因と対策】

調査が長引く要因調査官の視点・長引く理由税理士が推奨する対策
1. 資料の準備不足必要な資料がすぐに出てこないため、確認作業が滞ってしまう。会社の管理体制がずさんだと判断し、他の問題も疑う。事前通知を受けたら、対象期間の帳簿や証拠となる資料を完璧に整理・準備する。チェックリストの活用が有効です。
2. 曖昧な回答事実を隠そうとしている、あるいは経営実態を把握していないと判断し、より深く調べる必要があると考える。事前に税理士と想定問答集を作成し、練習しておく。不明な点は「確認して後ほど回答します」と正直に伝える。
3. 非協力的な態度納税者の反発は、何か隠し事がある証拠だと捉え、調査をより厳しく行う動機となる。常に誠実かつ協力的な姿勢を保つ。調査官とのやり取りは感情的にならず、専門家である税理士に任せる。
4. 取引内容が複雑海外取引や関連会社間取引など、理解に時間がかかる。取引の妥当性を慎重に判断する必要がある複雑な取引については、スキーム図や説明資料を事前に用意し、税理士から論理的に説明できるように準備しておく。
5. 重大な誤りの発覚一つの誤りは氷山の一角かもしれない。他の年度や他の項目にも同じような問題がないか、調査範囲を広げる必要性を感じる。普段から正確な経理処理を徹底する。税理士による定期的なチェック(月次巡回監査など)を受けることが最も効果的です。
6. 調査対象期間の拡大重大な誤りや不正を発見した場合、他の年度にも同様の問題がある可能性が高いと判断し、調査範囲を過去に遡って拡大する。5番と同様、日頃からの正確な経理が基本。万が一、過去の誤りに気づいた場合は、調査前に自主的に修正申告を行う。
7. 反面調査の必要性帳簿や資料だけでは取引の実在性が確認できないため、第三者(取引先)に確認する必要がある。すべての取引について、契約書・請求書・納品書・通帳記録といった客観的な証拠書類(証憑)を完璧に揃えておく。

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税務調査を最短で終わらせる5つの鉄則

税務調査の時間を長引かせないためには、受け身で対応するのではなく、主体的に調査をスムーズに進めるための準備と対策が不可欠です。ここでは、調査を最短で終わらせるために実践すべき5つの鉄則をご紹介します。

1. 完璧な資料準備と環境整備

これは最も基本的かつ重要なルールです。調査官が求めるであろうすべての資料を、事前に整理整頓し、すぐに取り出せる状態にしておきましょう。整理された資料は、調査官に「この会社は経理がしっかりしている」という良い印象を与え、調査全体の雰囲気を良好に保つ効果があります。

また、書類だけでなく、事務所や店内もきれいに片付けておきましょう。調査官は現金の残高確認や、在庫が本当に存在するかを調べることもあり、整理された環境はスムーズな調査の進行につながります。

2. 税務調査に強い税理士に立ち会いを依頼する

税理士の立ち会いは、調査を早く終わらせるための最も効果的な手段です。税金の専門家である税理士は、調査官の質問の意図を正確に読み取り、皆さんが不利にならないように的確な回答をサポートします。

社長自身が直接対応すると、感情的になったり、聞かれていないことまで話してしまったりするリスクがあります。税理士が間に入ることで、調査官とのやり取りが専門的かつ冷静なものとなり、無駄な詮索や時間の浪費を防ぐ「戦略的な緩衝材」の役割を果たします。税務調査の経験が豊富な税理士であれば、事前の打ち合わせで調査のシミュレーションを行うことも可能です。

3. 誠実かつ協力的な姿勢を貫く

調査官の質問には、嘘やごまかしをせず、事実に基づいて正直に答えましょう。ただし、聞かれてもいないことまで話す必要はありません。質問された範囲内で、簡潔かつ明確に答えることが重要です。協力的な姿勢は調査官との信頼関係を築き、スムーズな調査終結につながります。

4. 事前に修正申告を行う

事前通知を受けた後、会社の申告内容を見直した際に間違いを発見した場合、調査が始まる前に自主的に「修正申告」を行うことを強くおすすめします。

これは、調査で指摘される前に自ら間違いを正すことで、正直な納税姿勢を示すことができるからです。結果として、調査官の印象が良くなるだけでなく、調査の論点が減るため、実地調査そのものが短時間で終わる可能性が高まります。さらに、過少申告加算税の税率が低くなるという金銭的なメリットもあります。

5. 対応窓口を一本化する

調査当日は、社長や経理担当者、そして顧問税理士など、複数の関係者が立ち会うことが考えられます。しかし、調査官とのやり取りは、原則として顧問税理士に一本化すべきです。複数の人がバラバラに答えると、内容に食い違いが起こり、かえって調査官の疑いを招きかねません。窓口を一本化することで、一貫性のある対応が可能となります。

特殊な税務調査の時間:無予告調査と反面調査

税務調査には、事前に連絡がある通常の調査以外にも、特別な形で行われるものがあります。ここでは、特に経営者が驚きやすい「無予告調査」と、取引先に影響が出る「反面調査」について、かかる時間と対応方法を解説します。

無予告調査:突然の訪問とその対応時間

無予告調査とは、名前の通り、事前に連絡なく調査官が突然会社やお店を訪れる税務調査です。飲食店や小売業など、現金商売をしている会社や、不正の可能性が高いと判断された場合に実施されることがあります。

突然の訪問に驚いてしまうかもしれませんが、慌てて調査官を社内に入れる必要はありません。調査自体は断れませんが、皆さんには顧問税理士に相談する権利があります。

【無予告調査の正しい初動対応】

  1. 調査官の身分証明書を確認し、所属と名前を控える。
  2. 「顧問税理士に連絡するので、到着まで外でお待ちいただけますか」と伝え、社外で待ってもらう。
  3. すぐに顧問税理士に連絡し、状況を説明して指示を仰ぐ。

税理士が到着するまでの時間は、およそ1時間〜2時間程度でしょう。税理士が来てから調査を始めてもらうことで、不意打ちによる不利な状況を避けることができます。また、社長や経理の責任者が不在であるなど、正当な理由があれば、日程の再調整を申し出ることも可能です。

反面調査:取引先での調査時間

反面調査とは、税務調査の対象となっている会社(本調査先)の申告内容に疑問がある場合、その取引の裏付けを取るために、取引先や銀行に対して行われる調査です。

反面調査は、本調査先の皆さんに知らされずに行われることもあります。取引先から「税務署の調査が入った」と連絡があって初めて、自分の会社に関連する反面調査だと知るケースも少なくありません。

反面調査自体にかかる時間は、調査内容にもよりますが、取引先での滞在時間は1〜2時間程度で終わる短いものから、1日〜3日程度かかるものまでさまざまです。反面調査が行われる最大のデメリットは、会社の経理処理に税務署から疑いを持たれていることが取引先に知られてしまい、信用問題に発展するリスクがあることです。

反面調査を避ける一番の方法は、普段から正確な帳簿を作成し、取引の証拠となる契約書や請求書を完璧に保存しておくことです。

反面調査についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

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【保存版】税務調査の準備を万全にする必要書類チェックリスト

税務調査を早く終わらせるためには、完璧な資料の準備が不可欠です。調査の対象期間は通常、過去3年分ですが、念のため5年分の資料を用意しておくと安心です。以下に、会社・個人事業主を問わず、必ず準備すべき書類のチェックリストをまとめました。

税務調査 必要書類チェックリスト

分類必要書類確認ポイント・調査官の着眼点

会社全般
・会社案内、定款
・株主総会議事録、取締役会議事録
・法人税、消費税申告書(控え)
役員報酬の変更や重要な決定が、正式な手続き(議事録)を経て行われているか。

帳簿関係
・総勘定元帳
・現金出納帳、預金出納帳
・売掛帳、買掛帳
帳簿の残高と実際の残高(現金・預金)が一致しているか。特に現金商売では、現金が帳簿通りかどうかが確認される。

売上関係
・契約書、見積書
・納品書、請求書(控え)
・領収書(控え)
売上の計上時期が適切か(決算期ギリギリの売上が次の期に計上されていないか)。
請求書と入金の状況が一致しているか。

仕入・経費関係
・契約書、請求書
・納品書、領収書
・棚卸表
(在庫を数えた時の元資料も含む)
架空の経費や個人的な支出が混じっていないか。
特に交際費は、相手先や目的が厳しく問われる。在庫の計上漏れがないか。

人件費関係
・賃金台帳
・源泉徴収簿
・扶養控除等(異動)申告書
・タイムカード、業務委託契約書
架空の人件費がないか(従業員が実在するか)。
外注費が実質的には給料ではないか。

資産・預金関係
・固定資産台帳
・預金通帳(全口座)
 当座勘定照合表
・借入金の返済予定表、契約書
帳簿に載っていない預金口座がないか。社長個人の口座との間で資金のやり取りがないかどうかもチェックされる

これらの書類を年度別・種類別に分けてファイルし、誰が見ても分かるように整理しておくことが、調査官に良い印象を与え、結果的に調査時間を短くすることにつながります。

関連記事:税務調査は売上いくらから?「1,000万円」が基準と言われる理由  |ほまれ税理士法人

税務調査の確率とよくある質問(FAQ)

最後に、税務調査の対象となる確率や、皆さんからよく寄せられる時間に関する質問についてお答えします。

税務調査が入る確率はどのくらい?

国税庁の統計によると、年間に実際に調査を受ける会社の割合は約1.8%、個人事業主の場合は約0.8%です。この数字だけを見ると「ほとんど調査は来ない」と感じるかもしれません。

しかし、もう一つ大切なデータがあります。一度税務調査の対象になると、約8割の確率で何らかの申告漏れが指摘され、修正申告をしています。これは、税務署が高度な情報分析に基づいて、間違いの可能性が高い人たちを的確に選んでいることを意味します。

「調査の対象になる確率は低いが、選ばれたら指摘を受ける確率は非常に高い」というのが実態です。したがって、確率が低いからと安心するのではなく、「いつ調査が来ても大丈夫なように」普段から備えておくことが、賢い経営判断だと言えるでしょう。

税務調査の時間に関するFAQ

Q1. 調査官が資料を持ち帰りたいと言っています。応じる必要はありますか?

A1. はい、応じる必要があります。調査官は、調査に必要だと判断した場合、皆さんの同意を得て帳簿書類などを税務署に持ち帰り、預かることができます。その際、調査官は預かった書類の品目や数量を記載した「預り証」を皆さんに渡す義務があります。預けた資料は、調査に必要なくなればすぐに返してもらえます。

Q2. 社長の個人通帳も見られますか?

A2. 見られる可能性があります。特に、会社と社長個人の間で頻繁にお金のやり取りがある場合など、調査官が必要だと判断すれば提示を求められます。個人事業主の場合は、仕事用・プライベート用を問わず、すべての口座が調査の対象になり得ます。

Q3. 調査が半日で終わることはありますか?

A3. あります。特に、顧問税理士が立ち会い、事前に問題になりそうな項目について修正申告を済ませているようなケースでは、会社の調査であっても午前中の話だけで終わることもあります。準備が万全であれば、調査時間は大幅に短くすることができます。


まとめ:税務調査の時間は「準備」でコントロールできる

税務調査の実地調査にかかる時間は、会社で2日、個人事業主で1日が目安ですが、これはあくまで一般的な場合です。調査の全期間は、事前通知から結果報告まで1〜3ヶ月に及び、この期間は皆さんにとって大きな負担となります。

しかし、この記事で解説した通り、税務調査の時間は受け身で耐え忍ぶものではなく、事前の「準備」と「戦略」によって、ある程度コントロールすることが可能です。

  • 完璧な資料準備と整理整頓
  • 税務調査に強い税理士との連携
  • 誠実かつ協力的な対応

これらのポイントを徹底することが、調査を最短で、かつスムーズに終わらせるための最も効果的な方法です。

税務調査の通知は、決してパニックになるべき事態ではありません。これを機に会社の経理体制を見直し、専門家である税理士の力を借りながら、冷静かつ毅然とした態度で臨みましょう。

ほまれ税理士法人では、税務調査の事前準備から交渉まで、あらゆる局面を徹底サポートしています。税務調査に関するお悩みやご不安がございましたら、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

税理士/近畿税理士会所属/税理士登録年2005年/登録番号102807/会計システムの開発エンジニアとしてキャリアをスタート。その後、大阪市内の税理士法人での勤務を経て2005年に税理士として登録し、個人事務所を開業。法人化などを経て、現在はほまれ税理士法人の代表を務める。 「後世に誇れる仕事をする」を理念に、これまで2,000社以上の顧問先を支援。企業のライフステージに合わせた総合的なコンサルティングを提供している。

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