年末調整を税理士に頼む相場は?専門家が解説する費用対効果 

【はじめに】その年末調整、「去年と同じ」は危険です

こんにちは!税理士の井上です。

「年末調整?ああ、毎年やってる、あれね」

もしあなたがそんな風に少し軽く考えているとしたら、注意が必要かもしれません。

なぜなら、年末調整に関わる税金のルールはほぼ毎年何かしらの変更があり、年々その内容は複雑さを増しているからです。「去年と同じやり方で大丈夫だろう」という油断が思わぬ計算ミスや、後からの追徴課税といった手痛い結果を招くケースが増えています。

税金のプロである私たちでさえ、毎年の変更点を正確に把握し、ミスなく対応するには相当な時間と集中力を要します。

この記事は「知らないうちにルールが変わっていた」という、危険なリスクから、あなたの会社を守るために書いています。

専門家の力を借りることで、その複雑さから解放され安心して本業に集中するという選択肢について、その費用対効果を具体的にお伝えしていきます。

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目次

年末調整を税理士に頼む費用はいくら?

年末調整を税理士に頼む時の費用は、主に「基本料金」「従業員一人あたりの料金」「オプション料金」で決まるのが一般的です。会社の規模や依頼する内容によって、料金は変わります。

基本料金

年末調整の作業全体にかかる手数料や顧客管理費用などです。相場は1万円から3万円ほどですが、従業員が増えるほど、基本料金も高くなる傾向があります。これは、作業量だけでなく、やり取りや管理が複雑になるためです。

従業員一人あたりの料金 

年末調整の計算や書類作成にかかる費用です。相場は1人あたり2,000円から3,000円が目安です。

オプション料金 

法定調書合計表や支払調書の作成など、年末調整の基本的な作業に加えて依頼する場合に発生します。これらの書類作成には、追加で1万円から2万円ほどの費用がかかることがあります。

依頼費用シミュレーション:従業員数に応じた相場

年末調整の依頼費用は従業員数に大きく左右されるため、以下に具体的なシミュレーションを示します。顧問契約を結んでいない場合のスポット契約を想定した料金例です。

従業員数基本料金従業員1名あたりの計算料金費用合計の例
1名〜10名1万円2,000円~3,000円従業員5名の場合:2万円~2.5万円
11名〜30名1.5万円2,000円~3,000円従業員20名の場合:5.5万円~7.5万円
31名〜50名2万円2,000円~3,000円従業員50名の場合:12万円~17万円
51名〜100名2.5万円2,000円~3,000円従業員70名の場合:16.5万円~23.5万円
101名〜150名3万円2,000円~3,000円従業員120名の場合:27万円~39万円
151名以上要相談要相談見積もりによる

すでに顧問契約を結んでいる場合は、年末調整の費用が顧問料に含まれていたり、割引されたりすることが多いです。また、年末や年明けの忙しい時期に直前で依頼すると、追加料金がかかることもあるので注意が必要です。

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コストを超えた価値|税理士に依頼するメリット

年末調整を代行する会社はたくさんありますが、税理士に頼む一番のメリットは、その専門知識と法律で認められた権限にあります。これは、単なる事務作業の代行費用とは違う、とても大きな価値です。

税理士だけが持つ3つの「独占業務」とは?

税理士には、法律で以下の3つの特別な仕事(独占業務)が認められています。

  1. 税務代理税務署への申告や、税務調査の対応をあなたの代わりに行うこと。
  2. 税務書類の作成源泉徴収票など、税金に関わる重要な書類を正しく作ること。
  3. 税務相談税金に関する専門的な質問に答えること。

年末調整における正確な税額の計算必要な書類の作成は、まさにこの税理士の独占業務です。

一方、税理士の資格を持たない代行業者は、比較的安い費用で書類の回収やデータ入力といった事務作業を代行できます。

しかし、法律により彼らは税務書類の作成や税金に関する相談をすることは禁止されています。

この法律の違いは、年末調整を外部に任せる上でとても重要です。なぜなら、たとえ代行業者に頼んで業務の負担が減っても、計算ミスや書類の不備があった場合の最終的な責任は、すべて会社自身が負うことになるからです。場合によっては、追徴課税や罰則といったリスクを抱える可能性があります。

これに対し、税理士に依頼すれば、専門的な知識と経験で正確な計算が行われるだけでなく、万が一間違いがあった場合も専門家として責任を負ってくれます。つまり、税理士に払う費用は、時間を節約するためだけでなく、会社のコンプライアンスを守り、法律上やお金のリスクを避けるための「保険」でもあるのです。

税理士と一般代行サービスの違い

税理士に依頼した場合一般代行サービスに依頼した場合
法的根拠税理士法に基づく独占業務特定の法律的根拠なし
サービス範囲(独占業務)
可能
・法律により厳格に禁止されている
・違反は罰則の対象 
サービス範囲(事務代行)・申告書の配布、回収、確認
・データ入力
・計算処理
・各書類の仕分け、発送
・源泉徴収票の作成、交付 
・申告書の配布、回収、確認
・データ入力
・計算処理・各書類の仕分け、発送
料金相場基本料金1万〜3万円+1人あたり2,000円〜3,000円  ex)30名の場合→7万円~12万円基本料金8,000円〜+1人あたり1,000円〜2,000円程度  ex)30名の場合→3.8万円~

この表が示すように、料金が安い代行サービスは、サービスの範囲が限られている可能性が高いです。ただ単に費用を比べるのではなく、サービスの範囲や、何か問題があった時の責任がどこにあるのかを理解することが、正しい選択をする上でとても大切です。

また、追加で税務書類の作成等を税理士に依頼した場合、その費用が別途でかかるため、合計するとあまり金額に差異はなくなる可能性があります。

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内製化か外部委託か – メリット・デメリットの比較

年末調整を外部の専門家に任せるか、それとも自社で行うかという判断は、会社の規模や、使える人員、今後の戦略によって変わります。それぞれの方法には、良い点と悪い点があります。

外部委託(アウトソーシング)のメリット

  • 業務効率が上がる 年末調整の時期は、人事や経理の担当者に大きな負担がかかります。外部に依頼することで、これらの面倒な作業から解放され、社員はより大切な会社の中心業務に集中できます。特に専門の経理担当者がいない中小企業やベンチャー企業には、本業への影響を抑えるためにとても有効な方法です。
  • 計算ミスや控除漏れを防げる 年末調整の計算や書類作成には専門的な知識が必要なため、不慣れな担当者が行うとミスが起こりがちです。税金のプロに依頼すれば、正確な計算が保証され、従業員からの問い合わせにも安心して対応できます。
  • 法改正への確実な対応 税金のルールは頻繁に変わります。専門家は常に最新の情報を把握しているため、法律に沿った正確な作業が期待できます。
  • コスト効率 外部に依頼すると費用はかかりますが、自社で年末調整を行う場合の人件費(残業代や、人を増やす費用など)と比べると、結果的にコストを抑えられることがあります。「年末調整にかかる時間 × 担当者の時給 × 従業員数」という計算で、自社の費用と外部委託の費用を比較してみると、どちらが得か客観的に判断できます。

外部委託(アウトソーシング)のデメリット

年末調整を外部に任せることには、以下のような注意点もあります。

  • 費用がかかる外部に依頼するため、基本料金や従業員一人あたりの料金といった費用が当然発生します。
  • 社内に知識がたまらない 業務を外部に任せると、年末調整に関する知識やノウハウが社内にたまりにくくなります。将来、自社で年末調整をしたいと考えている場合は、この点がデメリットになります。
  • 情報が漏れるリスク 従業員の給与やマイナンバーといった大切な情報を外部に共有する必要があるため、情報が漏れるリスクが生じます。依頼する前に、相手の会社のセキュリティ対策がしっかりしているかを確認することが重要です。
  • やり取りに手間がかかる外部の会社とのやり取りやスケジュール調整に時間がかかり、すぐに連絡を取り合えない場合もあります。特に、イレギュラーな問題が起きた時には、対応に時間がかかる可能性があります。

会社の規模によって、外部委託をする理由は違います。従業員が少ない中小企業は、専門知識を持つ担当者がいないため、コンプライアンス上のリスクを避けるために専門家に依頼します。一方、従業員がたくさんいる大企業は、仕事量の多さから外部委託を選び、人件費を抑えながら業務を効率化するケースが多いです。

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依頼前の準備とパートナー選定のポイント

年末調整を外部に任せて成功させるには、依頼する側も事前の準備が欠かせません。ただ丸投げするのではなく、専門家と協力するという意識を持つことが大切です。

依頼前に会社が準備する書類

税理士がスムーズに年末調整を進めるために、以下の社内資料を事前に準備しておきましょう。これを整理しておくことで、やり取りがスムーズになり、作業効率も上がります。

  • 1年分の給与明細

従業員から集めて確認する書類

年末調整を依頼するにあたって、会社は従業員から以下の書類を正確に集め、不備がないか確認する必要があります。

  • 扶養控除などに関する申告書
  • 生命保険料や地震保険料などの控除証明書
  • 住宅ローンの控除申告書
  • 年の途中で入社した従業員の、前職の源泉徴収票

信頼できる税理士を見極めるためのチェックリスト

パートナーとなる税理士を選ぶ際には、費用だけでなく、以下に示す多角的な観点から慎重に判断することが推奨されます。

項目確認すべきポイント
料金体系の明確性契約前に書面で見積書を作成してもらえるか。基本料金に含まれる業務範囲や、追加料金が発生するケースについて明確な説明があるか。
専門性・実績年末調整業務の実績が豊富か。自社の業界・業種に関する知識を有しているか。最新の税制改正にも追いついているか。
対応力・レスポンス質問や連絡に対するレスポンスは迅速か。柔軟な対応を期待できるか。
人柄・相性偉そうな態度や高圧的な姿勢ではないか。親身になって話を聞いてくれるか。経営のパートナーとして長期的な関係を築けそうか。
リスク管理体制事務所内で誤りを防ぐための仕組みをどのように構築しているか。
提供サービス年末調整だけでなく、記帳代行、決算・申告業務、経営相談など、提供されるサービスの範囲が自社のニーズに合っているか。

依頼する側がこれらの情報を事前に整理し、質問をはっきりさせておくことで、税理士とのやり取りがスムーズになり、期待通りのサービスを適切な価格で受けられます。

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変わる税金のルール。年末調整は専門家への依頼も有効な選択肢

年末調整は法律で会社に義務付けられた、正確さが求められる大切な仕事です。しかし2024年の「定額減税」のように税金のルールは毎年のように変わり、その手続きはより複雑になっています。

この変化の流れは2025年以降も続き、控除の種類が増えたり条件が変わったりと、毎年のように細かな修正が加えられます。それに伴い年末調整で使う申告書の形式も、これまでとは大きく変わる予定です。

こうした毎年のルール変更の情報を、社内だけで全て追いかけ完璧に対応し続けるのは会社にとって大きな負担となります。従業員の記入ミスが増えたり、知らず知らずのうちに対応が漏れたりするリスクも無視できません。

このような状況において税理士は単に作業を代行するだけでなく、会社の運営を支えるパートナーとなります。税理士への依頼費用は、法改正に正しく対応し計算ミスなどのリスクを避けるための、有効な選択肢の一つと言えるでしょう。


私たちほまれ税理士法人はそんな変わり続ける税金のルールにも、もちろん迅速に対応します。あなたの会社の負担を減らし、法律を守りながら安心して年末を迎えられるよう全力でサポートします。

もし年末調整に少しでも不安を感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

税理士/近畿税理士会所属/税理士登録年2005年/登録番号102807/会計システムの開発エンジニアとしてキャリアをスタート。その後、大阪市内の税理士法人での勤務を経て2005年に税理士として登録し、個人事務所を開業。法人化などを経て、現在はほまれ税理士法人の代表を務める。 「後世に誇れる仕事をする」を理念に、これまで2,000社以上の顧問先を支援。企業のライフステージに合わせた総合的なコンサルティングを提供している。

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